2016年の流行語大賞に「神ってる」が選ばれました。
インターネット上で、人並み以上に行き届いたサービスなどをした人に対して「神」という称号が与えられることがあります。
このような対応を「神対応」というのに対して、逆にファンに対して残念な対応をすることを「塩対応」と言います。
ところが、この「塩対応」、必ずしも悪い意味だけではないようです。
今回は、この「塩対応」という言葉の意味を掘り下げてみたいと思います。
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塩対応の意味とは?
塩対応とは、残念な対応を意味することをお伝えしましたが、もともとどのようにしてこのような言い方が発生したのでしょうか?
一説によると、塩対応の「塩」は、相撲用語からきていると言われています。
相撲では、土俵に塩をまきます。この塩がまかれた土俵に手をついてばかりいる、つまり、「弱い力士」をさして「塩っぱい」と言っていたのです。
この相撲界の表現を、力道山がプロレス界にも持ち込み、プロレスの世界でもつまらない試合のことを「塩試合」とか「塩っぱい試合」と表現するようになりました。
相撲では「塩っぱい」とは単に弱いことを意味していましたが、プロレスではその試合自体に面白みがなく地味だった場合にも使われるようになったのです。
この相撲やプロレスで使われた「塩」という表現を、芸能界でも使うようになったのは、西暦2000年以降だと言われています。
お笑いコンビ「うっちゃんなんちゃん」の内村光良氏がアイドルの握手会などで素っ気ない態度をとるという意味で「塩対応」などと使うようになったのがきっかけです。
その後、ファンにたいする態度が冷たかったり、素っ気ない態度をとりがちな「塩対応」で有名なアイドルも出てきますが、Mっ気のあるファンなどからはかえって好評だったりもしました。
つまり、相撲やプロレスでは、「塩対応」という表現には悪い意味しかありませんでしたが、芸能界では良い意味でも使われるようになっていったのでした。
日本語に限らず、生きた言葉は意味がどんどんと変化していくので、ついていくのが大変ですね。
以前では、上司に対して気兼ねなく使えていた「お疲れ様でした」と言う表現も今では使いづらい状態になってきているようです。
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神対応とは?
それでは、塩対応とは逆の意味に使われる「神対応」とはどのようにしてできた表現なのでしょうか?
いろいろと調べてみたところ、残念ながら、「神対応」という表現がどのような経緯でできたのかは分かりませんでした。
ただ、「神業(かみわざ)」などのように、人並み外れてすぐれたという意味で「神」と言う表現をすることは昔から行われていたようです。
また、インターネット上の情報交流サイト「2ちゃんねる」などで、素晴らしい情報を提供してくれる人が現れた場合「神降臨」などと称賛することが頻繁に用いられ、「神アプリ」「神アニメ」などと優れているという意味の形容詞として「神」が頻繁に用いられるようになってきた結果、「神対応」と言う表現がでてきたものと思われます。
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