不動産や自動車の売買など、人生の大切な局面で必要になる実印。
若い頃に三文判で実印登録してしまったのを、この歳になって、もっとしっかりした実印に変更したくなった。
なんてこと、ありますよね。
今回は、そもそも実印の変更は可能なのか、また、その手続き方法は?実印を変更した場合に発生するデメリットなどについてお伝えします。
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実印は変更可能なの?
実印とは、住所地がある市区町村の役場で印鑑登録した印鑑のことを言います。
※印鑑登録については別記事に詳しいので、そちらを参照してください。
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さて、この印鑑登録をした実印、様々な理由で変更したくなったり、変更せざるを得ない状況になったりしますよね。
- 以前印鑑登録した実印は簡素すぎるからちゃんとしたものに変更したい
- 実印の一部が欠けてしまったから、この機会に変更したい
- 実印を紛失してしまった、または盗難にあって、変更せざるを得ない
でも、そんな時に、ふとよぎる疑問。
実印の変更ってそもそも可能なんだろうか?
安心してください。実印の変更は可能です。また、実印変更の手続きの方法も簡単です。
運転免許証やパスポートなどの顔写真入りの身分証明書と、印鑑登録証(または住民基本台帳カードやマイナンバーカードなど)と、新しく実印として登録したい印鑑を住所地のある市区町村の役場の窓口に持参して、改印届を提出するだけで手続きは完了します。
市区町村によっては、印鑑登録の廃止申請をしてから、あらためて新しく実印としたい印鑑で印鑑登録をする必要があるところもありますので、具体的な手続きの方法については、必要なものを役場の窓口に持参した上で、お尋ねいただいたらと思います。
実印を変更した場合に発生するデメリット
実印を変更することが簡単にできることは分かりましたが、実印を変更することによって起こってくるデメリットはあるのでしょうか?
例えば、「マンションを購入した時の実印と売却する時の実印がかわっていたらどうなるのか」とか、「すでに作成済みの遺言書に押した実印は無効になる?」など、心配ですよね。
でも、その辺も心配の必要はありません。
印鑑登録証明書は、発行してもらった時点での印鑑の有効性を証明するものなので、以前に契約を交わした際の契約書には何の影響も及ぼさないからです。
むしろ、簡単にコピーができてしまうような三文判などで実印登録してしまっている場合などは、印鑑の悪用をされてしまう可能性があることを考えると、実印を変更するメリットはあれ、デメリットはありません。
ただし、何らかの契約を交わしている最中、例えば、不動産購入の手続きをしている途中などで実印を変更すると、手続きがスムーズにすすまない可能性がありますので、その場合は、関係する業者や役所などに確認をして、ひと段落ついてから実印を変更されることをおすすめします。
また、実印を紛失、または、盗難にあった場合は、実印が悪用されることのないように、すぐに実印登録をしている市区町村の役場にその旨を届出て、印鑑登録証明書が発行できないようにする必要がありますので、その場合は、関係各所に連絡した上で、速やかに実印の変更手続きをとるようにしてください。
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