普段使いのお茶と言われる「番茶」。
実は、地方によって違うものだって、ご存知でしたか?
今回は、それぞれの地方の番茶のカフェイン含有量についてご紹介します。
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そもそも番茶って何?
一般的に、番茶とは、低級の煎茶のことを言います。
夏以降に収穫した茶葉や煎茶を作る過程ではじかれた規格外の大きさの茶葉などを使って作られた煎茶で、抽出液の色は緑色、淡泊でさっぱりとした飲み口が特徴です。
「番茶」という呼び方の由来には諸説あり、
- そもそも「番」という字には、番傘、御番菜(お惣菜のこと)のように、「普段使いの」とか「日常の」という意味があり、番茶は「普段使いの安いお茶」という意味。
- 一番茶、二番茶の後の遅い時期に摘んだ茶葉を使うことから「晩茶」と呼ばれ、後に「番茶」へと変化した。
というのが有力な説だと言われています。
煎茶の製法が確立される江戸時代後期までは、一般的に出回るお茶のほとんどは今の基準でいうところの番茶であったと考えられています。
また、煎茶の技術が確立されるまでには、全国各地で様々なお茶の製法が確立されていたため、全国各地にそれぞれの「番茶」が生れていました。
- 北海道や東北地方では、「番茶」と言えば「ほうじ茶」を指すことが多い
- 石川県を中心とする北陸地方では、お茶の茎をほうじた「棒茶」を「番茶」と呼ぶ
- 京都では、茶葉の形がそのまま残ったタイプのほうじ茶のことを「いり番茶」または「京番茶」と呼ぶ
このように、全国各地に違ったタイプの「番茶」があるのです。
この他にも、刈り取った茶葉と茎を3年間熟成させた後に焙煎した三年番茶という番茶もあり、健康志向の高い方に好まれています。
では、これらの「番茶」のカフェイン含有量はどのくらいなのでしょうか?
番茶のカフェイン含有量はどのくらい?
それでは、これらの番茶のカフェイン含有量はどのくらいなのでしょうか?
まず、一般的に「番茶」と呼ばれる緑茶タイプの「番茶」のカフェイン含有量から見ていきましょう。
このタイプの番茶は、新芽ではなく大きく成長した茶葉を原料とします。大きく成長した茶葉は、カテキンを多く含み、カフェイン含有量が少ないのが特徴です。
緑茶タイプの「番茶」のカフェイン含有量は、煎茶の約半分程度だと言われています。
次に、各地方の「番茶」のカフェイン含有量を見てみましょう。
各地方で「番茶」と呼ばれるものは、茶葉の種類は違っているものの、製法はほうじ茶と同じ「焙じる」過程を経ています。
ほうじ茶は、茶葉を焙じた(炒った)お茶です。
茶葉を焙じると、130度を超えたあたりからカフェインが昇華するため、カフェイン量が減ります。
しかも、これらの「番茶」に使われる茶葉の多くは、煎茶などに用いられる新芽ではなく、もともとカフェイン含有量が少ない成長した茶葉や茎の部分が使われることが多いため、必然的に、カフェイン含有量は少なくなります。
つまり、緑茶タイプの番茶も、ほうじ茶タイプの番茶も、カフェイン含有量は少ないと言えるのです。
同じ「番茶」でも地方によって指すものが違うということ、そして、そのどれもがカフェイン含有量が少ないということが分かりました。
冷えに悩んでいる方、妊婦さん、お子さんなど、カフェインをなるべく摂りたくないという方は、日常の食卓で飲むお茶を「番茶」にかえてみると良いかもしれませんね。
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