最近、海や川で「カヤック」と呼ばれる舟が話題になっていますが、あれは、カヌーとは別物なのでしょうか?
カヤックとカヌーの違いについて調べてみました。
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カヤックとカヌーの違いとは?
カヌーには様々な種類があり、大きく2つに分けると、カヤックとカナディアンカヌーの2つに分けられます。
一般的に「カヌー」というのは、カナディアンカヌーのことを指して言うことが多いため、「カヤック」と「カヌー」と並列して呼ばれることが多いのです。
つまり、厳密に言うと、カヤックは、カヌーの内の1つの種類なのです。
カヌー | カナディアンカヌー |
カヤック |
カヌーは、こぎ手がパドルで水を後ろにかくことで、こぎ手の前方に船が進む小舟の総称です。
では、カヤックとカナディアンカヌーの違いは何でしょうか?
一番大きな違いは、パドルの形状です。
カヤックもカナディアンカヌーもパドルを使って漕ぎますが、このパドルの片方だけに水をかく「ブレード」がついている「シングル・ブレード・パドル」を使うのがカナディアンカヌーで、両方にブレードがついている「ダブル・ブレード・パドル」を使うのがカヤックです。
シングル・ブレード・パドル
ダブル・ブレード・パドル
カヤックとカヌーの歴史から見る違い
カヤックとカナディアンカヌーを歴史的に見ると、以下のような違いがあります。
カナディアンカヌーの歴史
カナディアンカヌーは、もともと、北アメリカの先住民達が丸太をくりぬいて小舟を作ったのが始まりだと言われています。
ただ丸太をくりぬいただけの小舟なので、転覆してしまうと、船から放り出され、小舟を元に戻したり、中に入った水を抜いたりと、大変な作業が必要になります。
そこで、カナディアンカヌーは、もともと転覆しにくいように安定性が良く、比較的流れの緩やかなところで乗るものとして設計されています。
カヤックの歴史
これに対してカヤックは、イヌイットと呼ばれるアラスカの先住民たちが作った小舟です。
木で作った枠に、動物の皮などを張ることによって、船の中に水が入り込んでこないようにできています。
カヌーに比べてカヤックは細身で、氷の間をぬって進むのに適しています。
カヤックに比べて機動性が高い反面、安定性が低くなっており、転覆しやすいです。
その反面、転覆からの回復もしやすく、船に乗ったまま、素早く起き上がる「エスキモーロール」という技術を使うことで、転覆しても極寒の水中に放り出される心配がありません。
つまり、カヤックは、急な流れに反応しやすく、転覆からの回復も容易なため、川の急流などで乗るのに適していると言えるのです。
この様に、カヤックもカヌーもそれぞれに進化して、様々なフィールドに合ったものが開発されています。
- 急流で波にのって遊びたい
- 海に漕ぎ出して、釣りをしたい
- たくさん荷物を積んで水辺でキャンプしたい
など、それぞれの目的にあったカヌーやカヤックを選んでカヌーを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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